歯周病治療
Periodontics

歯周病治療と予防は
お口の健康の基礎
歯周病治療
歯周病は、歯を支える歯ぐきや骨が細菌の感染により少しずつ破壊されていく病気です。歯垢(プラーク)の中にいる歯周病菌が原因で起こり、進行すると歯を失ってしまうこともあります。初期の段階では自覚症状がほとんどないため、定期的な歯科検診で早期発見・早期治療を心がけることが大切です。全ての歯科治療のベースにある治療。だからこそ安全確実に行っています。
こんな症状ありませんか?
全体
- 口臭を指摘された・自分で気になる
- 歯みがき後に、毛先に血がついたりする
- 朝起きたら口の中がネバネバする
- 口をすすいだ水に血が混じることがある
歯肉の状態
- 歯肉が赤く腫れてきた
- 歯肉を押すと血や膿が出る
- 歯肉が下がり、歯が長くなった気がする
- 歯肉がぶよぶよとした触感がある
歯の症状
- 歯と歯の間に物が詰まりやすい
- 歯並びが変わった気がする
- 歯が浮いたような気がする
- 歯が揺れている気がする
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チェックが1~3個の場合
歯周病の可能性があるため、軽度のうちに治療を受けましょう。
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チェックが4~5個の場合
中等度以上に歯周病が進行している可能性があります。早期に歯周病の治療を受けましょう。
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チェックがない場合
チェックがない場合でも無症状で歯周病が進行することがあるため1年に1回は歯科検診を受けましょう。
日本臨床歯周病学会 より引用
歯周病について

歯周病と言えばみなさんどのようなイメージをお持ちでしょうか?
歯茎が腫れる。歯茎から血が出る。
そういった症状も歯周病の特徴ですが、歯周病を一言で言えば歯を支える骨が溶ける病気です。
これが中々目に見えず自覚症状が無いため、潜在的な患者様も含めれば大人の8割が歯周病またはその予備軍と言われています。
自覚症状のある方も無い方もまずは一度受診されてみて下さい。
Point!
歯周病と全身の関わり

歯周病は、口の中の問題だけでなく、全身の健康にも影響を及ぼす可能性があります。歯周ポケットの中の細菌が血液に入り込み、体中のさまざまな臓器に悪影響を及ぼすと言われています。特に以下の全身疾患は歯周病が悪化すると同時に悪化するなど示唆されています。
- 糖尿病
- 腎障害
- 心筋梗塞・狭心症
- 早産・低体重児出産
- 脳梗塞・脳卒中
- 骨粗鬆症
- 誤嚥性肺炎
- リウマチ
歯周病の進行度
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01

歯肉炎
歯肉炎は、歯周病の初期の段階にあたります。歯垢の中の細菌によって歯ぐきに炎症が起こり、赤く腫れるのが特徴です。痛みなどの症状はほとんどありません。しかし、歯肉炎をそのままにしておくと、歯周炎へと進行してしまうリスクがあります。
治療には、歯科医院での専門的なクリーニングと、自宅でのしっかりとした歯みがきが必要不可欠です。
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02

初期歯周炎
軽度の歯周炎では、歯ぐきの炎症が少し進み、歯と歯ぐきの間にポケットができ始めます。歯をみがいた時に歯ぐきから出血したり、歯ぐきが腫れたりするのが特徴的な症状です。
治療の基本は、歯石を取り除く「スケーリング」と、歯の根の表面をきれいにし滑らかにする「ルートプレーニング」です。また、自宅での歯みがき習慣を見直し、しっかりと歯垢を取り除くことが大切です。
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03

中等度歯周炎
中等度の歯周炎では、歯周ポケットが深くなり、歯を支える骨が少しずつ溶けていくのが特徴です。歯がぐらついたり、口臭が気になったりするようになります。
治療には、スケーリングとルートプレーニングに加えて、外科的な処置が必要になることもあります
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04

重度歯周炎
重度の歯周炎では、歯を支える骨のほとんどが失われ、歯の支えが著しく悪くなります。歯のぐらつきが進み、歯ぐきから膿が出てくることもあります。この段階では、歯を残すことが難しくなるため、抜歯が第一の選択肢です。抜歯後は、失った歯の機能を回復するために、インプラントや入れ歯などの治療が必要になります。
歯周病の治療法
歯周基本治療

歯周病治療は段階的に進めます。基本治療では、まず急性症状を緩和し、炎症をコントロール可能な状態に導くのが目的です。
歯垢や歯石を除去して、細菌の増殖しにくい環境を整えることが第一段階となります。しかし器械的な清掃だけでは限界があり、患者様自身による日々のプラークコントロールが改善されなければ根本的な解決には至りません。歯科医院での処置とセルフケア指導を組み合わせ、段階的に口腔環境を改善していきます。
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歯磨き指導

患者様の歯並びや磨き残しの傾向を分析し、効果的なブラッシング方法をお伝えします。歯ブラシの選び方から持ち方、動かし方まで実践的に指導いたします。
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スケーリング・ルートプレーニング

超音波スケーラーや手用器具で歯石を除去し、歯根表面を滑らかに仕上げます。細菌が付着しにくい環境を作ることで、歯周組織の回復を促進するのです。
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補綴物の修正・咬合の調整

不適合な詰め物や被せ物は細菌の温床となります。段差をなくし、清掃しやすい形態に修正いたします。かみ合わせの不均衡も歯周病を悪化させるため、適切な調整を行います。
歯周内科治療

当院の歯周病治療は歯周内科療法も行っています。
歯周内科療法とは、文字通り外科的な歯周病治療(歯茎を切り開いて歯石を取る)ではなく、まずは内科的な歯周病治療(抗生剤の服用 による除菌)を行うことで、患者様になるべく痛みや不安感を与えない治療法です。
抗生剤を処方すべきかどうかを判断するために、写真にある位相差顕微鏡という顕微鏡を使用して、お口の中の菌の状態を確認してから治療を開始します。
歯周内科の実例
Before
After
| 主訴 | 口の中がネバネバする。歯茎から膿が出る。 |
|---|---|
| 診断名 | 歯周炎 |
| 治療期間・回数 | 6週間 3回 |
| 治療方法 | 歯周内科治療 |
| 費用 | ¥110,000 |
| 診療前の注意点 | 抗生剤や抗真菌薬にアレルギーのある方は治療が出来ない場合があります。 |
Point!
国際歯周内科学研究会の認定医が在籍

当院の副院長の小泉翔悟は、この歯周内科療法の開発者である生田図南先生から 直接御指導を賜り、国際歯周内科学研究会から認定医の資格を頂いていますので、 安心して治療を受けることが出来ます。
歯周外科治療

歯周外科治療とは、中等度から重度の歯周病に対して行われる外科的処置です。歯茎を切開し、歯周病の原因となる歯の表面に付着したプラークや歯石を除去します。また、歯周組織の再生を促すための手術や、歯周ポケットを深くしないための処置も含まれます。これにより、歯周病の進行を止め、歯の寿命を延ばすことを目指します。
歯周病治療後に
安定が見られたら

歯周基本治療と再診査・再評価を繰り返していき、歯周病治療後に結果が出た場合は、SPT(安定期治療)へ移行していきます。
SPTとは歯周病の治療後、病状が安定した状態を維持するために行う定期的な治療のことです。歯周病の再発や進行を防ぎ、口腔内の健康状態を維持することを目的とした処置です。病状の変化の確認も含め定期的な通院をおすすめしています。